食べることは生きること

終戦の日に、
戦争に関する資料館に行き、
関連する映画を観た。


戦争の悲惨さは
兵器による被害だけではない。
資料館では
戦局いよいよ厳しき中で
戦力としては年上と思われる
40過ぎの一家の父にも
赤紙(召集令状)届いたという
展示から始まる。
赤紙は軍事機密の保護の目的から
人目に触れないように破棄された
ということだが、
数少ない資料として残ったのは、
たまたま戦局に向かう船に
乗り遅れたりして
戦線への参加を免れた人のものらしい。


実際に戦地で着ていたもの 
戦地での食事に使ったものなどが
展示されていくなかで、


終戦後に
シベリアに抑留された人の
労働や生活の様子や
第二次世界大戦前から
満州に開拓で移住していた人の
引き揚げの様子も
細やかに展示されていた。


展示を補うかのように
無料の配布資料として
漫画も置かれていて、
語りべから伝えられるかのように
読み入った。


生きていくこと自体
難しい環境で、
食べるものもなく
病気にも見舞われ
簡単に人の命がなくなる。


いつだって
振り回される人は
必ずいる。


あらゆる視点から
戦争を振り返る。


あらゆる視点から
今の平和を考える。


関連する映画は
戦争めし。
生きることは
食べること。


戦地において
兵士が大事にしたのは
兵器ではなかった。


最後の最後まで
食べることを
諦めない。


今の時代、
流通がとまったり
交通が遮断されたりで
大騒ぎになるけれど、
満州から何年も何十年も
祖国の地を踏めなかった人を思えば
大したことではない。


沸点が低い現代で
ちょっとのことにも
逆上して自身の欲のままに
振る舞う人にこそ
そのことを知ってほしい。


食べたいものが
食べられるしあわせ。


ご飯づくりに入った先で、
雑炊をつくった。
美味しいわ〜
と、ペロッと平らげたその人は、
食べすぎて恥ずかしいと
顔を覆って笑う。
そして笑い泣き。


美味しくて
食べすぎて
笑い泣き。


あの頃の人たちが
宿ったかのようだった。


駐輪場で
夫の自転車のサドルが盗まれ、
どうしたものかと憤っていたが、
盗られたものは仕方ない。
予防策を講じるか
駐輪場所を変えるくらいかと
話していたところで、
父が梨を持ってやって来た。


自分たちのお墓の
管理費を納めた帰りに
市川の梨を買ったのだそうだ。


満面の笑みで
自分が育てたかのように
誇らしげに梨を手渡してくれた。


ずっしりと
名物は大きかった。


生きてると
悲しい別れや
悲しい出来事に
気持ちが塞ぐことも多い。
ここのところ、
いや、仕事を変えてからは
そんな事の繰り返しだった。


だけど
美味しいものとの出会いに
救われることもある。


昼間、
職場近くの八百屋さんで
根菜を買っていたら、
もう少ししたら
北海道の美味しいトウモロコシが
入るからね〜。
と、教えてくれた。


食べものに
未来を思う。


食べることは
夢見ること。


旬のものに
命をもらおう。


2019年8月19日
Mahalo,nui!!




SLOW DOWN LIFE

あらゆるものが加速する中で 敢えて減速して生きていく。 マイペースに。丁寧に。 不定期に綴る、 減速生活のススメ。

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