半年後の景色

半年前からみた
今の景色。
今から半年経ったら
どんな景色になってるだろう。


半年前の今日、
気仙沼に夫を連れて
支援先の人とようやく
夫婦で対面した翌朝、
K-portでお茶をして
電車に揺られて帰路についた。


その翌々の朝。
台風15号が千葉県を直撃し、
停電や断水に苦しむ様子に
居ても立ってもいられず、
9/12に館山に高速バスで向かった。
その時は同じ千葉県なのに
電車では館山まで行かれず、
東京駅から高速バスで
初めて海ほたるを渡った。

あのときの景色から
半年が経ったのだ。

次に行くときは、
夫婦で行きたいと思っていた。

たまたま平日にお休みが
一緒に取れたので、
本当は泊りがけで館山へ
ドライブ旅行する予定だったけれど、
日帰りで行けるところを巡ろう
ということになった。


今年は暖冬で
花の満開が早まっている。
河津桜も早々に満開を過ぎ、
水仙も満開を終えてしまった。


予期せぬ新型コロナウィルスで
イベントそのものも中止になり、
閑散としたオフシーズンの地へ
半年後の昨日、夫婦で訪れた。


頭の中にある
半年前と
目の前にある
半年後に、 
私は感嘆のコトバばかり
発していた。


修繕の途中にある
足場の組まれた建物が
あちこちに見られる一方で、
手つかずにブルーシートを
土嚢袋で固定したままの家もある。


ブルーシートの
改めて固定し直した所がある一方で、
崩れたままの箇所もある。


頼朝桜の咲く
佐久間ダムは、
よく見ると枝が折れて
朽ちた木々もあり、
土台の土が崩れて
柵が崩れそうになっている
場所もあった。


夫には
私の行ったところを
見て欲しかったので、
車で岩井袋や岩井海岸にも
足を運んだ。


半年前、
家主の居ない敷地の
片付けを手伝ったところは
更地になっていた。


土嚢袋を作った海岸には
サーファーが訪れていた。


あっけらかんと
快晴の空が
人間の色々な不具合を
他所に見ている感じがした。


9年前の、
3.11もそんな空だったっけ。。


9年後の再会で
復興の難しさと
命の尊さをしみじみと
感じているところで、
半年という時間を思った。


観光しに来てください!
という声もあったので、
名所も訪れてみたけれど、
安房勝山の大黒山展望台は
まだその段階にはなかった。


高速バスで立ち寄った
道の駅とみうら枇杷倶楽部が
営業再開していたのが
心底うれしかった。
ミントグリーンの建物が
修繕されてる!!と
車窓から見えた時は、
歓喜の声を上げた。


夫の目には
どう映ったのだろう。
この先再び夫婦で
館山に来る時には、
今回との比較が生まれる。
夫もどこかで
歓喜の声を上げるだろうか。


失ったものは
戻らない。
なくなったものも
元には戻らない。


けれど、
大好きだったところは
姿を変えても
大好きであって欲しい。


保田小学校は現在
宿泊可能な道の駅になっているが、
2014年に126年の歴史に幕を下ろし
2015年12月に道の駅として
地域に愛される拠点となった。
我が家が保田から鋸山に登り、
一泊旅行をした2ヶ月後の事だったので、
今回の旅行で初めて
道の駅保田小学校を訪れることとなったが、
童心に帰って給食を食べる時間が
とても愛おしく感じられた。

そんなふうに
傷ついて形こそ変わっても
愛しい場所が
愛され続けて欲しい。


館山まで足をのばし、
布良崎神社の復興の様子を
間近に眺めた後、
帰りは夕陽に霞む
富士山のシルエットを
追いかけながら
日暮れを背中にして
車を3時間走らせて帰宅した。


走行距離、
312km。


違いに若かりし頃に
仕事でした
長距離ドライブの話をし、
あの頃は
そんな日が続くと思ってたけど、
続かないよね。。
と振り返った。


どんな今も
ずっとは続かない。


ふと、
今のシアワセな瞬間も、
ずっとは続かないんだと思って
切なくもなった。


だからこそ
できる事を
できる時に
どれだけ出来るかが
未来を変えるんだと思う。


未来の笑顔に
出会えるように。


Mahalo,nui!!




SLOW DOWN LIFE

あらゆるものが加速する中で 敢えて減速して生きていく。 マイペースに。丁寧に。 不定期に綴る、 減速生活のススメ。

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