星に、強さを。

雨に散らされた
葉っぱが星のよう。
道路に星空が
出来たみたい。


トラちゃんの亡骸に
最後の挨拶をしました。


この街で働いて
何度も挫けそうになったとき
トラとパンダに励まされ
ようやく3年になる。


もう、
ベテランさんじゃない。
腰の手術から退院したばかりの
とある90歳の方に言われた。


最近、
あちこちで
手際が良いわね、
上手くなったね
と言われるようになった。


老年学を学び、
介護予防の視点から
訪問で自分なりに
日々試行錯誤するばかりの
淡々とした修行のような
積み重ねの中で、
確かに自分が強くなって
来ている気がしてた。


だからって、
そんなに急いで
お星さまにならなくても
いいんだよ。。
トラちゃん。


介護の仕事を初めてすぐ、
夫の親族が
すい臓ガンで旅立った。
黄疸が出ながらも
小康状態で
退院するわよ!
とばかりに元気だった姿が
最後の思い出だった。

その翌年に、
その姉にあたる方が
やはりガンで旅立った。
98と高齢であったなかで
生きる気力に圧倒され、
緩和ケア病棟で
食事介助や口腔ケアを
させてもらうことができた。
意識が混濁するなかで
朝ドラの主人公のことを
よく見る顔ね!
と評価してたっけ。
私の顔を誰かと勘違いしたのか、
往年のスターよ!
と嬉しそうに笑う顔が
最後の姿だった。


みんな、
幸せそうな姿を
記憶に残して
星の瞬きのように
旅立っていく。


トラちゃん。
あなたも
そうだったね。


数珠を腕に巻かれ、
可愛いお鼻には
脱脂綿。
目は輝きを失ったけど、
その亡骸は
愛に包まれてた。


保護主さんが
最後に贈ってくれたのは、
フミフミする姿。


亡骸は
眠るようだった。
ふわふわで
少しだけひんやりしてたけど
まだ柔らかくて
少しだけ肌に力を失ってたけど
生きているかのようだった。
痩せ細ることもなく、
うっかりと
虹の橋に行ってしまったかのよう。


腎不全による
けいれん発作。
そこから一旦は持ち直したものの、
日付が変わり、
満月に向かう夜中に
静かに旅立ってしまった。


苦しみは
少なかったようで、
それだけが救い。


野良で保護されて
5ヶ月間。
腎不全と診断されて
ここまで頑張りました。


先に旅立った
ぺろちゃんと同じ寺院の車が
明日、迎えに来ます。


棺には
沢山のお花と
ゴハンとお手紙や写真。


10年を超えると思われる
野良時代を過ごし、
最後は思う存分に
甘えられる人のところで
虹の橋に向かうトラちゃん。


慌てて用意した
お花もお星さまの色。


ぺろちゃんと
楽しく仲良くね。


出会って
別れて
人は
きっと
優しくなれる。


強くも
なれるんだね。。。



ありがとう。
ちょっとだけ私も
強くなるよ。



2019年7月22日
Mahalo,nui!!








SLOW DOWN LIFE

あらゆるものが加速する中で 敢えて減速して生きていく。 マイペースに。丁寧に。 不定期に綴る、 減速生活のススメ。

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