2024.01.30 04:31グラタンとリハビリ2024年の大きなうねりの中で穏やかな日々のありがたさを噛みしめる。日曜の夜。夫がグラタンを作ってくれた。(日曜は私が仕事なので夫が在宅のときは作ってくれている)なんと我が家でグラタンを作ったのは今夜が初めてだった。天袋のような台所の棚に確かあったはず、と、ガラス製のグラタン皿を出してくれた。「ウインナー、食べた?」午後の仕事前に下ごしらえしておいた野菜たちも、美味しくグリルされていたが夫が加えたウインナーは会心の焼き上がりだったようだ。 「まだ、あと二回は作れそうだよ」夫の得意料理、確定らしい。 なぜだろう。グラタンを作りたいとも食べたいともおもわなかったのは。出来ることは、自分でやるという、自立した夫。 トラブルからのリカバリも普段なら一人で乗り切...
2022.11.23 14:13鎮魂の日々 コロナ禍に終わりはない。見切りをつけたかのように、世の中に賑わいが戻ってきた。 令和4年10月。3年ぶりに地元で開催される花火大会の抽選席が当たった。来場規制と感染対策のゾーン分けがされた土手に座り、ゆったりと夜空に咲く大輪の花を眺めた。 花火には、鎮魂の意味がある。使い方を誤れば凶器となる爆薬を、空に放って鑑賞するのが花火で、日本では徳川吉宗の時代、川開きの際に慰霊や悪疫退散を願うものとして本格的に打ち上げられたという。今年は秋の開催となったが、コロナ禍で急変して亡くなった多くの方や、9月に川の上流で失踪した幼い子供の魂を思い、鎮魂の思いで夜空を見上げた。 8月の盆休みに、双葉町の伝承館を経由して、陸前高田の一本松へドライブで向かった。 災害の記憶...
2022.11.06 23:02生きていてよかった 少し早めの紅葉を眺めに、文化の日の祝日、両親を連れて筑波山へドライブに行った。 帰り道、地元のレストランで夕飯を食べて満腹になった父がふと、「生きていてよかった」と呟いた。 奇遇にも同じ言葉をつい最近、仕事の訪問先でも聞いていた。90代の男性が、若い頃子供を連れて旅行した東北地方へ、先日4泊5日のドライブツアーとして子供達に連れて行って貰ったという話を聞いた時、旅の感想を訪ねた返答と、同じ言葉だった。 生きていて、よかった。その言葉の重みを改めて痛感する。歳を重ね、自身では出来ないことが増えていく中で、思いもよらず夢が叶ったような出来事に遭遇したとき、思わず口からでる言葉なのだと思う。そしてコロナ禍を生き抜いている今、誰しもが発しうる言葉だ。 コロナ...
2022.10.12 10:58つなげていこう。災難はいつも想定外のところから降って湧くのだと生まれて初めて実感した。心配事の殆どは起きないと言われるのは心配事の枠外から災難がやって来るから考えてもムダということなんだ。8月。衝撃の第一発見者になった、そのすぐ後の出来事だった。衝撃の出来事は想定内だったが、その後の災難はジワリと想定外に「降ってきた」。上の階からの、水漏れ。水道管の劣化によるものだった。寝室の押入れから、壁を伝ってリビングの壁へ。雨漏り程度かと思ったら一晩で衣装ケースが一杯になった。お盆休み中で管理会社と連絡が取れず、夫婦で浸水対策に追われていたが、下の階にも水漏れがあったことでその家族とひょんなご縁に恵まれて水道管補修は数日後に行われたものの、被災した押入れや壁紙の補修は10月の3...
2022.09.23 04:41音を奏でるということ今年に入ってひょんなきっかけで津軽三味線と親しくなった 楽器を奏でてみたいという欲求は上手になりたいにはなかなか繋がらない。オルガンエレクトーンピアノピアニカ縦笛チューバ木琴ドラムなどなど。音楽教室や学校の部活などで触れてきたもの。合奏するのが楽しかった。大人になって奏でてみた楽器は、ウクレレジェンベ(アフリカの打楽器)アルパ(パラグアイのハープ)琴カリンバ三味線ジェンベ以外、ひとりでも楽しめそうなもの。音に対する興味は仏具のおりんにまで及んだ。なぜなんだろう?聴くだけで満足しないのは。私はなんで音を奏でたいんだろう??そんな問いへの答えが思いの外早く現れた。市川方面にドライブしたとき、夫が気になるお寺がある、と連れて行ってくれた法華経寺の参道で、津軽...
2022.09.17 07:40懐かしの街で20年前に住んでいた懐かしの場所で、貴重な体験をした。代々木上原。学生の時に良く訪れた街。社会人になり、隣駅から歩ける場所に5年ほど住んだ。20代をここで終えた。そんな街にある東京ジャーミイトルコ文化センター。モスクの美しさがあちこちで取り上げられているが、敷居か高いものと感じてか今日まで近くに行くこともなかった。生きとし生けるものへ門戸を開放するかのように穏やかにあの頃もここに佇んでいたのに。。愚かとしか言いようのなかった若かりしあの日の私。興味を惹かれることはなかった。結婚して15年。夫が美しい建物に惹かれたこともあり、一緒にガイドツアーに参加してみようという事となった。残念ながら住まう部屋の修繕絡みで家を開けられなくなり、「あなただけでも行ってお...
2022.09.05 10:44処暑過ぎて真夏はめくるめく過ぎるので、毎年いつからいつが真夏だったのか覚えていないのだが、今年はお盆から月末にかけて忘れ得ぬ事が多発した。住まう賃貸マンションの上の階から水漏れが起きたこと。(修繕工事の日程はまだ未定)訪問先で第一発見者になったこと。これらが同時多発的に起きた時、幸いにも夫は夏休みだった。そして予定していた旅行にも問題なく行けた事や、夫の両親の健康上のトラブルにも早めに対応出来た事で、この夏は結局のところ不思議なくらい収まりの良い形で収束した。大変な事が起きている時。心のどこかでどっしりと居座ってどうにかなるんじゃない?って言っている自分がいたのは救いだった。地元で働き始めて7年目。肝が座ったのかも知れない。いや、歳のせいかも知れない。人間、半世...
2022.08.07 15:20夜を泳ぐ立秋を迎えた夜。連日の猛暑がまたやってきそうだが、日没がまだ夏らしさを残してる。車という部屋で夜を移動する。できそうでできなかったこと。二人しかいない空間が地球の自転を感じながら街を一望できる所へ向かう。車を走らせるとき自分が大人になったのだと感じる。一方で街を歩く人はスマホに肩を丸めて退化したようにみえる。夫には気分転換が必要で私には骨休めが必要なので、移動する部屋は二人の必需品となった。 船堀駅の目の前にそびえ立つ、船堀タワー。正式にはタワーホール船堀というらしい。この夏、2度目の搭乗。真夏の昼と、立秋の夜。どの時間も飽きずに東京の街を眺められる。新川は、どっちかな。千本桜が植わっているという新川の遊歩道を目指す。しばらく川上方面に歩くと、赤い金魚...
2022.08.01 21:56心に静寂を日の入りが少し早まったせいか気づくと月が登っている。酷暑が続く日々。ベランダに差し込む朝陽は顔をしかめたくなるほど熱い。移動だけでジリジリと体が焼かれるように熱くなる。出かけるのを躊躇いながら気合を入れて暑さに挑む。連日の暑さの疲れからか、夜から朝にかけて鉛のように体が重くなる。どうにか体を動かそうとストレッチや体操で血流と心拍数を上げる。テレビを消して静寂の中にいる。正確には生活音の中にいる。クーラーや扇風機から空気の動く音がする。窓の外から小さく聞こえるのは蝉の声。路面を走るタイヤの音。外に出れば車の音に紛れサイレンも時折聞こえる。並木道では風に揺れる木の葉の音。今朝は酷暑でマイカーを使って動いた。カーラジオからフニクリ・フニクラが聞こえてきた。言...
2022.07.07 05:45見届けるということ最近観た映画。トップガンマーヴェリックと犬王。どちらも見る前はそんなに期待していなかった。前者はコロナ禍で公開が延び延びになっていたので、ようやく観られるという安堵感が先に立って旧作の勢い再びのノスタルジックな作品では?と思っていた。後者に対しても、平家物語から何やら得体のしれない話が現れた?と興味の対象から外れていた。公開後のレビューを目にするようになり、何だか面白そうだと思い直して2作とも出足遅れ気味で映画館へ足を運んで鑑賞したが、己の先入観を恥じるほどに感動することができた。それとともに、先入観に凝り固まってあわや見届けずに過ぎてしまわなかった今をありがたく思った。コロナ禍を乗り越えて我々の目の前に作品として現れることは、なんて尊いことなんだろう...
2022.06.14 21:35浄化の月に2022年も、半分が過ぎようとしている。昼の長さも、最大が近づいている。今月は、半年の穢を浄化する夏越の大祓の月。今年の雨は、予測困難。思えば地球のあちこちで大きな火山や海底火山が噴火していたんだっけ。私達は地球というひとつしかない乗り物に乗り合わせて生きていることを忘れて生きている。生きるとは変化すること持続可能をテーマにした大人のドラマで辞書編纂者である父が自らの人生で実感したこと。娘もその意味を自分なりに咀嚼して満月の夜、ヨガを通して生徒に伝えていく。コトバも人も生きていて変化していく。月の満ち欠けのように移ろい変化するココロに、動揺し、穏やかでありたいと願う。そして満月を迎えるたび何かを乗り越えた思いとなり、葛藤が昇華されココロが浄化される。私...
2022.04.01 01:38春をいきる春って生きるチカラを試される。別れがあって出会いがある。注意深く見極めてうまく距離を保って自分を守る、それには生きるチカラが必要だ。不調は何らかのアラート。不快は何らかのセンサー。温かい方へ安らぐ方へココロを向けることを忘れずに。スズメのイタズラか桜の蕾がたくさん落ちていた。レイニードルで糸を通して花を肌に寄せる。猫がゴロンとお腹をみせてくる。撫でると目を細めて幸せそうにする。大切なものがあるなら手放さなくていい。しがらみがあるなら振り払っていい。自身の鼓動と体温を感じながら。どうか。。春を生きて。